本記事では、多言語化Webサイトを構築する際にかかる費用を解説しています。基本的に、制作ボリュームと展開言語数によって費用が変動し、ボリュームや数が多いとそれだけ費用が大きくなる傾向にあります。さらに翻訳の質やCMSの選定、外注するか内製するかといった要因によってもコストは大きく左右されます。
「まずは日本語サイトを海外ユーザー向けに翻訳したい」「複数言語で同時展開したい」「現地ごとに独自の情報を掲載したい」など、目的によって費用の考え方も異なります。この記事では、自社で多言語化サイトを制作しようと検討している方に向けて、費用の構造と押さえるべきポイントを詳しくまとめました。
多言語サイト制作手段は、大きく分けて3つあります。
同時制作は最も効率的にブランド統一が図れますが、その分初期コストは高額になりがちです。既存サイトを基盤に翻訳する方法は費用を抑えやすい反面、構造上の制約が残る可能性があります。また、多言語サイトのみを制作する場合は現地市場に直接アプローチできますが、国内用の情報整理ができないというデメリットもあります。
上記3つのパターンが全てというわけではなく、自社の目的に適切なパターンは異なります。たとえばEC企業なら商品ページや決済システムを優先して翻訳する必要があり、メーカーであれば製品カタログや導入事例に重点を置くケースもあります。制作費用はそれによって大きく変動します。
制作費用に直接関わってくるのは、制作ボリュームと展開言語数です。制作ボリュームとは、サイトのページ数や文字数、システム関連の工数を指します。たとえば50ページのサイトを3言語に展開すれば、150ページ分の制作工数が発生します。
また多言語化するサイトのボリュームが大きければ大きいほど、1言語あたりの翻訳・コーディング・テスト工数も比例して大きくなります。その結果、費用が膨らむことにつながります。おおよその目安として、1言語あたり数十万円〜数百万円規模の費用になるケースが多いといわれています。
さらに、対応する言語によっても費用は変動します。英語や中国語など翻訳リソースが豊富な言語は比較的費用を抑えやすいですが、マイナー言語や専門性の高い分野では翻訳単価が高くなる傾向があります。
グローバルビジネスを進めるにあたり、まずは各種Webサイトを多言語化するのが第一歩です。しかし、今後ビジネスを促進していくにあたっては、多言語化の次の一手を見据えておくことも重要です。
各国の文化や商流を踏まえたWebサイトとして再構築するなら、グローバルサイトの構築実績がある会社に依頼するのがベター。このサイトではおすすめの会社を紹介しているので、ぜひ検討材料にお使いください。
SEOの観点からいうと、翻訳の質はコンテンツの質とイコールになると考えられます。日本語で良質なコンテンツを制作しても、翻訳精度が低ければ海外ユーザーにとっては読みにくく、検索評価も下がる可能性があります。
そのため機械翻訳だけに頼るのではなく、専門用語を正しく理解し、文化的背景を踏まえて翻訳できる人材を活用することが重要です。特にマーケティング用の文章や製品説明文では、ニュアンスの違いがブランドイメージに直結します。
翻訳後は必ずネイティブチェックを行い、現地で違和感なく読めるかを確認しましょう。翻訳の質を高めることは、そのまま検索順位やCVR(コンバージョン率)の改善につながります。
サイト制作フェーズとは、多言語翻訳したテキストをWebページとして反映する工程です。この工程でも基本的にはボリュームと言語数が費用に関係し、より多くの言語を多言語化する場合には、それだけコストが増えます。
またテキストを含む画像をたくさん取り入れたサイトでは、テキストだけでなく画像内の文章も多言語化する場合があり、費用は高くなります。バナー画像やインフォグラフィックス、PDF資料の翻訳作業も別途コストとして発生する点に注意が必要です。
さらにCMSや翻訳管理ツールを導入するかどうかも費用に影響します。導入すれば初期コストはかかりますが、更新作業が効率化されるため長期的にはコスト削減につながります。
忘れてはいけないのが、公開後の運用・更新コストです。製品情報やニュースを更新するたびに翻訳作業が発生し、多言語数が多いほどその負担は大きくなります。
運用フェーズでは、翻訳コスト・人件費・CMS利用料などを含め、月数万円〜数十万円規模のコストがかかるのが一般的です。特にBtoBサイトやECサイトは更新頻度が高いため、初期費用よりも運用費用がトータルコストに占める割合が大きくなるケースが多いです。
外注する場合は翻訳会社や制作会社との契約形態(従量課金型/月額固定型)も確認しておきましょう。長期的な運用を見据えた体制構築が、多言語サイト成功のカギとなります。
グローバルサイト構築の専門メディア「デジブラ」では、独自調査により構築実績を有する50社をピックアップ。その中から代表的な3つの構築目的別に、実績の多い会社を選出しています。
本当に優れた製品の実力を
他国の人に伝えたい!
売上規模50億から5兆円のBtoB製造企業170社を支援してきた実績から、BtoB製造業を熟知した会社と言えます。
ローカルサイトも含めた制作・運用を推進できるのが強みで、現地支社を巻き込みながらの進行やシステム構築も得意としているため、戦略立案や企画・プロジェクト運営を相談したいメーカーにおすすめです。
現地の美意識に寄り添い
商材の価値を表現したい!
自社スタジオでの映像制作で、人の美意識に働きかけるような表現を得意としています。
化粧品や装飾品・ファッションなどおよそ30社以上の美容・アパレルメーカーのサイト構築実績を有しており、言語化できない「美しさ」を、映像コンテンツで広く伝えていきたい会社におすすめです。
海外の食文化に配慮しながら
食材の魅力を広めたい!
海外ならではの食文化や、食のタブーに配慮したサイト構築の実績を持ち、大手食料品メーカーからの依頼にも応えられる実力を有する会社です。
成分や栄養価などの情報を、食文化を知るプロが正しく多言語化し、食流通の法規制を守って適切にクリアした上で、ブランド価値を世界中に拡げていく支援に期待できるでしょう。
選定条件:
Google検索「グローバルサイト 構築」の検索結果の165社から、事業としてグローバルサイトの構築を行っていることが公式サイトに記載されている50社を絞り込んだ。(調査日:2024年8月23日)
・イントリックスの選定理由:製造業の海外ビジネス促進を目的としたグローバルサイト構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※1 参照元:イントリックス サービスサイト|https://www.intrix.co.jp/lp/global-website-strategy/)
・ミツエーリンクスの選定理由:映像やビジュアルを活用したPRを目的としたグローバルサイトの構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※2 参照元:ミツエーリンクス 公式サイト|https://www.mitsue.co.jp/our_work/projects/past_projects.html)
・あとらす二十一の選定理由:採用強化を目的とした企業サイトを、グローバルサイトとして再構築した実績が50社のなかで最も多い会社として選出。
(※3 参照元:あとらす二十一 公式サイト|https://at21.jp/works/maker.html)