中東・北アフリカ地域をはじめとするアラビア語は、世界で使用人口第6位の言語です(※1)。現在約4億人がアラビア語を使用しているとされ、アラビア語商圏は今後も成長が見込まれる大きな市場として、注目を集めています。
マーケットが大きいため、日本の企業もアラビア語が使われる商圏に魅力を感じています。中東・北アフリカ地域でのビジネス展開を目指したいのであれば、アラビア語対応のWebサイトを構築する必要があります。
中東市場への進出を目指す企業が増加しているだけでなく、アラビア語圏からの訪日対応の需要も増しています。2024年の中東地域からの訪日客は16.6万人で過去最高だったと日本政府観光局が発表しています(※2)。
文化や言語の違いを理解し、アラビア語圏の人々に正しい情報を発信することで、インバウンドのニーズにも応えることができます。
ただし、アラビア語のサイト制作にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。以下で説明していきます。
(※1)参照元:日本翻訳センター公式サイト
(※2)参照元:訪日ラボ
アラビア語のサイトを制作する際、いくつかの注意点があります。たとえば表記方向は通常の言語とは逆の「右から左」に向けて書く言語です。またイスラム教と強いつながりのあるアラビア語は、宗教や文化の面でも知っておかなければならないことが多数あります。
また同じアラビア語でも国や地域によって方言もあるため、対象エリアのネイティブもしくは当該地域の言語にくわしい人にチェックしてもらうのが理想です。現地ユーザーに適したサイトを構築することが大変重要です。
アラビア語のサイト制作時に注意すべきポイントを表にまとめておきましたので、参考になさってください。
特性 | 内容 |
---|---|
表記方向 | アラビア語は右から左に読む言語(RTL:Right to Left)であるため、レイアウトやUI、ナビゲーションの設計などすべてで反転対応が必要です。 |
フォント・文字組み | 文字が前後の文字に応じて形を変える接続型文字という特徴があります。欧文や日本語とは異なり、見た目・可読性の確保にも工夫が求められます。 |
地域差 | アラビア語圏は中東・北アフリカと広範囲にわたるため、語彙や言い回しに地域ごとのバリエーションがあるので注意が必要です。 例:エジプト方言 vs 湾岸方言 |
文化的配慮 | イスラム文化圏では画像・人物表現・色彩の使い方にさまざまな配慮が必要になります。宗教的背景を理解したうえで、視覚的表現を調整しなければなりません。 |
翻訳のニュアンス | 機械翻訳をそのまま使うと意味が通じにくく、プロのネイティブ翻訳者によるチェックが不可欠です。特に企業ブランドやポリシーなどが誤解されないように、正確に翻訳することが重要になってきます。 |
最後に、「アラビア語サイト リニューアル事例」とGoogle検索した結果に公式HPが表示された企業のうち、実際にリニューアルの事例を紹介しているページをもとに、信頼性の高いアラビア語サイト制作の実例を3例紹介します。
立命館アジア太平洋大学の入試情報サイトは、もともと英語など4言語で発信していたWebサイトを、15言語対応にリニューアルしています。Webサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」を採用することにより、アラビア語による同大学の入試情報が発信できるようになりました。
世界100以上の国・地域から学生が来ている立命館アジア太平洋大学にとって、サイトの多言語化はプロモーション展開の一機能。世界の大学と戦うためには各国別に広報展開を行う上で大きな武器になると考えているそうです。
参照元:Wovn Technologies株式会社(https://mx.wovn.io/casestudy/apu)
アメリカの名門校であるジョージタウン大学は、カタールキャンパス向けにアラビア語の専用サイトにリニューアル構築。英語だけでなく、アラビア語でも大学一般に関する情報だけでなく、研究や関連する論文、膨大なWebサイト内の刊行物を読めるようになりました。
教育機関としての信頼性と視認性を意識し、アラビア語圏の学生・保護者にもストレスなく情報が届くよう設計されています。
参照元:ANNAI 株式会社(https://annai.co.jp/article/georgetown)
Mahawi Japan Shopは、日本製美容製品を中東市場向けに販売する越境ECサイト。アラビア語サイトでは、イスラム圏ユーザーのニーズに対応したUI設計と、右から左への自然なレイアウト、ローカル決済への対応など、現地のニーズマッチしたサイト構築を実現しています。
中東地域ではアニメをはじめとした日本のカルチャーに興味を持つ人が増えており、Mahawi Japan Shopではアニメのキャラクターグッズなども取り扱っています。
まだまだ中東向けのECサイトは少数派ですが、マーケットの大きさを考えると、今後アラビア語サイトへのリニューアルが加速する可能性も十分にあります。
参照元:株式会社イーシーキューブ(https://www.ec-cube.net/product/cases/detail.php?id=4224)
アラビア語サイトの構築やリニューアルをしたいのであれば、言語の翻訳ではなく、現地の文化・習慣・閲覧環境に合わせた最適な設計が求められます。
今回ご紹介した3社の事例のようにいかにローカライズできるか、ターゲットユーザー視点で構築しなければ成功しません。多言語サイト構築の実績が豊富な企業と連携し、効果的なWebサイトを目指しましょう。
グローバルサイト構築の専門メディア「デジブラ」では、独自調査により構築実績を有する50社をピックアップ。その中から代表的な3つの構築目的別に、実績の多い会社を選出しています。
本当に優れた製品の実力を
他国の人に伝えたい!
売上規模50億から5兆円のBtoB製造企業170社を支援してきた実績から、BtoB製造業を熟知した会社と言えます。
ローカルサイトも含めた制作・運用を推進できるのが強みで、現地支社を巻き込みながらの進行やシステム構築も得意としているため、戦略立案や企画・プロジェクト運営を相談したいメーカーにおすすめです。
現地の美意識に寄り添い
商材の価値を表現したい!
自社スタジオでの映像制作で、人の美意識に働きかけるような表現を得意としています。
化粧品や装飾品・ファッションなどおよそ30社以上の美容・アパレルメーカーのサイト構築実績を有しており、言語化できない「美しさ」を、映像コンテンツで広く伝えていきたい会社におすすめです。
海外の食文化に配慮しながら
食材の魅力を広めたい!
海外ならではの食文化や、食のタブーに配慮したサイト構築の実績を持ち、大手食料品メーカーからの依頼にも応えられる実力を有する会社です。
成分や栄養価などの情報を、食文化を知るプロが正しく多言語化し、食流通の法規制を守って適切にクリアした上で、ブランド価値を世界中に拡げていく支援に期待できるでしょう。
選定条件:
Google検索「グローバルサイト 構築」の検索結果の165社から、事業としてグローバルサイトの構築を行っていることが公式サイトに記載されている50社を絞り込んだ。(調査日:2024年8月23日)
・イントリックスの選定理由:製造業の海外ビジネス促進を目的としたグローバルサイト構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※1 参照元:イントリックス サービスサイト|https://www.intrix.co.jp/lp/global-website-strategy/)
・ミツエーリンクスの選定理由:映像やビジュアルを活用したPRを目的としたグローバルサイトの構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※2 参照元:ミツエーリンクス 公式サイト|https://www.mitsue.co.jp/our_work/projects/past_projects.html)
・あとらす二十一の選定理由:採用強化を目的とした企業サイトを、グローバルサイトとして再構築した実績が50社のなかで最も多い会社として選出。
(※3 参照元:あとらす二十一 公式サイト|https://at21.jp/works/maker.html)