本記事では、グローバルサイトの基本をまとめています。グローバルサイト制作における注意点や運用方法ガイド、制作事例をまとめた記事を紹介しています。
グローバルサイトとは、企業や団体が世界中の顧客・パートナー・投資家など多様なステークホルダーに向けて情報を発信するウェブサイトです。単なる翻訳済みページの集合ではなく、情報設計とブランディングを一元管理できる“ハブ”の役割を果たします。
コーポレートサイトは主に国内向けに企業情報をまとめた「会社案内+採用+CSR」型が多い一方、グローバルサイトは複数地域の顧客獲得やグローバルブランディングを目的に設計されます。そのため多言語・多通貨・多法域に対応したCMS、言語切替UI、地域別のUX最適化、統一ガイドラインによるブランド管理など、より複雑な要件が必要になります。
海外展開のファーストステップは“現地の顧客に正しい情報を届ける”ことです。グローバルサイトが整っていないと、見込み客は現地代理店や競合サイトへ流れ、機会損失が発生します。逆に、オンライン上での信頼形成とリード獲得が加速し、海外拠点の営業活動を大幅に効率化できます。
SaaSやECなどデジタル中心のビジネスでは、国境を越えた顧客接点が増加しています。しかし情報発信が国・言語ごとに分断されていると、最新情報を同期できず、ブランドメッセージや価格・仕様がバラつきます。グローバルサイトはこの分断を解消し、統合的な情報ガバナンスを実現します。
英語だけではリーチできない市場が増えています。検索クエリや購買行動は現地語で行われるため、ローカライズされたキーワード設計や文化背景に沿ったストーリーテリングが必須です。グローバルサイトではCMS側でマルチリンガル運用を標準化し、翻訳ワークフローと現地レビューをシームレスに連携させる設計が求められます。
M&Aやブランド統合が進むと、複数ブランド・複数拠点が乱立しがちです。グローバルサイトは情報アーキテクチャ(IA)を共通フレームワークで整理し、国・地域・ブランド横断でメニュー階層を揃えることで、ユーザーは迷わず目的情報に到達できます。
CMSの翻訳メモリや自動言語判定、hreflangタグによる適切なインデックス管理が基本機能です。さらに、画像テキストや動画字幕のローカライズ、休日・通貨・単位の自動変換など細部まで対応することで、各国のユーザー体験を底上げできます。
グローバルガイドラインに基づき、ロゴ・配色・タイポグラフィ・UIコンポーネントをデザインシステム化することで、地域別開発でもブランドの一貫性を保てます。FigmaやStorybookなどデザインOpsツールと連携し、世界共通のデザイン資産を再利用できる体制を整えるのがポイントです。
各国の検索エンジン事情(Google、Bing、Baidu、Naverなど)やSERP要件に合わせ、URL構造・サイトマップ・パンくずリストを最適化します。トップページでは自動言語振り分け、地域別ランディングでは現地語CTAとエリア限定のホワイトペーパーを配置し、検討フェーズごとの導線を明確化します。
国内サイトは主に日本の顧客・求職者・メディアを対象にしますが、グローバルサイトは国・地域ごとに異なるペルソナを想定し、ファネルに応じた導線と訴求軸を設計します。例として、米国ではエコロジー志向、ASEANではコストパフォーマンス重視など、メッセージングが変わります。
国内サイトでは会社概要→サービス→事例→問い合わせという直線的階層が一般的ですが、グローバルサイトでは地域・製品ライン・言語の3軸を同時に整理する必要があります。メガメニューやフィルタリングUIを活用し、多次元的に情報を探索できる設計が効果的です。
国内サイトは広報部門が主導するケースが多いのに対し、コンテンツ権限管理(Role & Permission)や品質監査フローをCMS側で標準化し、更新スピードと品質を両立させるガバナンス設計が鍵となります。
グローバルサイト制作の注意点は、4点です。
以下の記事では上記4点の注意点を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
グローバルサイトリニューアル時に注意するべきポイントは以下の3点です。
サイトリニューアル時には、各拠点とのコミュニケーションエラーに注意しましょう。円滑なグローバルサイト運用を目指すには、本社が各拠点と仲立ちをするか、運用自体を本社が請け負う方法があります。
以下の記事では、グローバルサイトの運用方法4つについて紹介しています。方法には「本社単体運用型」「各拠点完全個別運用型」「各拠点独自運用型」「本社統制型」があり、自社の特徴によって適しているものが異なります。
自社のサイト運用傾向や課題と感じている事柄を洗い出し、適している方法を選択しましょう。
以下の記事では、グローバルサイトのCMS構築ガイドを解説しています。ブランドに一貫性を持たせたいと考えている場合、コンテンツの平準化を図れるCMSはとても役立ちます。
サイト構築時のCMS選定方法やポイントをまとめていますので、グローバルサイト構築担当者の方は必見です。
以下の記事では、グローバルサイトの制作事例を4つ紹介しています。日本や海外で有名な会社の事例ばかりを集めました。実際の制作事例を確認し、自社のグローバルサイト構築に活かしましょう。
グローバルサイト構築の専門メディア「デジブラ」では、独自調査により構築実績を有する50社をピックアップ。その中から代表的な3つの構築目的別に、実績の多い会社を選出しています。
本当に優れた製品の実力を
他国の人に伝えたい!
売上規模50億から5兆円のBtoB製造企業170社を支援してきた実績から、BtoB製造業を熟知した会社と言えます。
ローカルサイトも含めた制作・運用を推進できるのが強みで、現地支社を巻き込みながらの進行やシステム構築も得意としているため、戦略立案や企画・プロジェクト運営を相談したいメーカーにおすすめです。
現地の美意識に寄り添い
商材の価値を表現したい!
自社スタジオでの映像制作で、人の美意識に働きかけるような表現を得意としています。
化粧品や装飾品・ファッションなどおよそ30社以上の美容・アパレルメーカーのサイト構築実績を有しており、言語化できない「美しさ」を、映像コンテンツで広く伝えていきたい会社におすすめです。
海外の食文化に配慮しながら
食材の魅力を広めたい!
海外ならではの食文化や、食のタブーに配慮したサイト構築の実績を持ち、大手食料品メーカーからの依頼にも応えられる実力を有する会社です。
成分や栄養価などの情報を、食文化を知るプロが正しく多言語化し、食流通の法規制を守って適切にクリアした上で、ブランド価値を世界中に拡げていく支援に期待できるでしょう。
選定条件:
Google検索「グローバルサイト 構築」の検索結果の165社から、事業としてグローバルサイトの構築を行っていることが公式サイトに記載されている50社を絞り込んだ。(調査日:2024年8月23日)
・イントリックスの選定理由:製造業の海外ビジネス促進を目的としたグローバルサイト構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※1 参照元:イントリックス サービスサイト|https://www.intrix.co.jp/lp/global-website-strategy/)
・ミツエーリンクスの選定理由:映像やビジュアルを活用したPRを目的としたグローバルサイトの構築実績が、50社のなかで最も多い会社として選出。
(※2 参照元:ミツエーリンクス 公式サイト|https://www.mitsue.co.jp/our_work/projects/past_projects.html)
・あとらす二十一の選定理由:採用強化を目的とした企業サイトを、グローバルサイトとして再構築した実績が50社のなかで最も多い会社として選出。
(※3 参照元:あとらす二十一 公式サイト|https://at21.jp/works/maker.html)